【はじめに】もう僕たちは”ググらなくなる”のかもしれない
Googleが発表した新しいAIモード、あなたはもう試してみましたか?
あれは、僕たちが今まで当たり前だと思っていた「キーワードを入れて、青いリンクを選ぶ」っていう行為が、もう過去のものになるかもしれない…そんな未来を突きつけてきました。
この記事では、Google検索の最前線で起きていることをベースに、「これからの検索って、一体どうなっちゃうの?」そして「僕らのWebサイトに求められる役割って、どう変わっていくの?」という、大きな2つの問いについて、僕なりの考えを書いてみようと思います。
【第1部】 検索は「答え」から「あなたの代理人」へ変わる
AIがあなたに代わって電話をかける「エージェント検索」の衝撃
先日、YoutubeでSilicon Valley GirlというチャンネルでGoogleの副社長と検索の未来について語っている動画を見ました。衝撃を受けました。
だって、AIがユーザーの代わりにレストランに電話して、ごく自然な会話で予約を完了させちゃうんですよ。すごくないですか?(この衝撃的なデモは、こちらの動画の11:08から見ることができます)
これは検索が単なる情報を見せてくれるツールから、僕たちの目的を達成するための「実行代理人(エージェント)」に進化するってことの、何よりの証拠だと思うんです。
もう、検索は情報を探すだけの行為じゃなくなる。これは間違いありません。
「とりあえずググる」の終わり
これからのAI検索は、「アレルギー対応で、大人数でも入れて、雰囲気がいい感じのレストランを近所で探して」みたいな、超ワガママな質問にも一発で答えてくれるようになります。
今までだったら、いくつもキーワードを変えて検索して、いろんなサイトをタブで開きまくって比較して…なんてことをやっていたはずです。
でも、これからはAIがたった一つの「答え」をくれる。
つまり、ユーザーがWebサイトを一つひとつ見て回る手間が、ごっそりなくなるということです。
結論:検索は「超優秀なパーソナルアシスタント」になる
これからの検索は、僕たちの漠然とした悩みや「こうだったらいいな」を深く理解して、リサーチから比較検討、そして予約や購入といった具体的なアクションまで肩代わりしてくれる「パーソナルアシスタント」のような存在になる。僕はそう確信しています。
検索エンジンとの付き合い方が、根っこから変わる時代がもうすぐそこまで来ているんです。そして、Googleはその世界を目指しています。
【第2部】 Webサイトは「情報の置き場」から「信頼の源泉」へ
じゃあ、そんな時代に僕らのWebサイトの立ち位置って、どう変わっていくんでしょうか?
「AIが答えをまとめてくれるなら、誰もサイトに来なくなるんじゃない?」
きっと多くの人が、そんな不安を感じていますよね。
実際、AIの要約によってWebサイトへのアクセスが激減することを懸念する声は多く、海外ではすでにメディア企業が検索エンジンを相手取って訴訟を起こすといった動きも出てきています。これは決して無視できない、「負の側面」です。
参考:Google’s AI previews erode internet, edtech company says in lawsuit | Reuters
しかし、僕は悲観してばかりもいられないと考えています。Webサイトの役割を正しく進化させれば、むしろ新しいチャンスが生まれるはず。その理由を、ここから詳しくお話しします。
なぜ、Webサイトの役割は変わらないといけないのか?
理由①:AIが「情報の門番」になるから
今までは、ユーザー自身が検索結果のリストを見て「どのサイトを信じようかな」って選んでいましたよね。
でもこれからは、AIがまず全サイトの情報を読み込んで、解釈・要約して、「これがベストアンサーでしょ」っていう答えをユーザーに提示するようになります。
もちろんGoogleは、これを「ウェブへの新しい接続方法」と位置づけています。AIが生成した概要からもサイトへのリンクが表示され、サイト運営者にもメリットがあると主張しています。
しかし、見方を変えれば、AIという新しい「門番」を突破しないと、僕たちの情報がユーザーの目に触れる機会が減ってしまう、ということでもあります。僕たちが向き合うべき相手が、人間だけでなくAIにもなる。この変化は、非常に大きいですよね。
理由②:ユーザーは「答え」ではなく「確信」を探しに来るようになるから
基本的な情報や簡単な答えは、これからは全部AIが教えてくれます。
そうなった時、ユーザーがわざわざ僕らのWebサイトを訪れる理由って、一体何になるんでしょう?
僕は、それは「AIの答えって、本当に合ってる?」「もっとマニアックで深い情報はないの?」「この会社、このサービスを本当に信頼して大丈夫?」といった、答えの裏付けや、もっと本質的な「確信」を求めるためになるはずだと考えています。
だからこそ、これからのWebサイトには、単なる「答え」を置いておくだけじゃなく、ユーザーに「確信」を与える役割が必要になります。
忘れてはいけないこと:Googleのビジネスの根幹は「広告」である
そしてもう一つ、僕らが忘れてはいけない視点があります。それは、Googleのビジネスモデルの根幹は、今も昔も「広告」だということです。
AIによる検索結果にも、すでに広告枠が導入されることが発表されています。つまり、AI検索がどれだけ普及しても、Googleが広告で収益を上げるという構造は変わらないんです。
参考:Google Will Explore Ads in ‘AI Mode,’ Taking Cues From Ads in AI Overviews – Adweek
これは、Webサイトへのトラフィックが完全にゼロになるわけではない、ということを意味しています。我々サイト制作会社やこれを読んでいるサイト運営者のあなたにとっては、ある意味で希望の光とも言えるかもしれません。
AI時代に僕らが今すぐやるべきこと
役割①:AIにとっての「信頼できる引用元」になるべし!
AIという「門番」に「こいつの情報は確かだ」と認めてもらい、その答えの引用元として選ばれるためには、僕らのサイトが信頼に足ることをAIに証明しなきゃいけません。
【今すぐやるべきアクション】
- E-E-A-Tの鬼になる: 誰が(著者情報)、どんな実績を持つ組織が(企業情報)発信しているのかを徹底的に明確にする。専門性、権威性、信頼性をサイト全体でこれでもかと示すべきです。
- 「Q&Aコンテンツ」を強化する: 「◯◯ やり方」「◯◯ 比較」「◯◯とは?」みたいな、ユーザーの具体的な疑問に真正面から答えるコンテンツは、AIが引用しやすい鉄板フォーマットです。これを徹底的に作り込みましょう。
- 構造化データを実装する: AIが「この記事はこういう意味ですよ」と正確に理解できるよう、
Schema.orgみたいな技術を使ってサイトの情報を整理してあげる努力が、絶対に必要になります。
役割②:ユーザーにとって「最後の決め手となる場所」になるべし!
「確信」を求めてわざわざ来てくれたユーザーの期待に応えるには、客観的な情報だけじゃ全然足りません。心を動かして、「この人たちしかいない!」と思わせるためのコンテンツが不可欠です。
【今すぐやるべきアクション】
- 一次情報を発信する: 自分たちで取った調査データ、お客さんへの魂のインタビュー、製品開発の裏話…。自分たちの言葉でしか語れないオリジナルな情報にこそ、価値が宿るはずです。
- 「人間理解」を極める: お客さんがどんなことで悩み、どんな瞬間に「やってよかった!」と感じるのか。その深いインサイトに基づいた共感ストーリーや導入事例は、「この人たち、分かってくれてる…!」という感情的な信頼に繋がります。
- 直接的な繋がりを構築する: 検索だけに頼るのはもうやめましょう。メルマガ、LINE、SNSを通じて、お客さんと直接的な関係を築き、長期的なファンを育てていくべきです。
【まとめ】 AIに選ばれ、人間に愛されるサイトだけが生き残る
検索が僕たちの「代理人」になる時代、Webサイトはただ情報を並べただけの「情報の置き場」では、もう生き残れない。僕はそう断言します。
AI検索の登場は、トラフィック減少の懸念といった厳しい現実を突きつける一方で、僕たちにWebサイトの本質的な価値とは何かを問い直す機会を与えてくれています。
これからのWebサイトに求められるのは、AIからは「最も信頼できる情報源だ」と引用され、人間からは「最後の決め手となる確信を与えてくれる場所だ」と愛される、そんな二重の役割を果たせる存在になること。
あなたのサイトは、その準備、できていますか?