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追従ヘッダーには「position: sticky」を使った方がいい理由

2025.05.09

こんにちは、エンジニアの村山です。
本日はWebサイトには欠かせない要素である追従ヘッダーについてのお話をします。

これまで私はサイト制作において追従ヘッダーを作る際、使用するCSSプロパティとして position: fixed を使うことがほとんどでした。
しかし、最近になって position: sticky を試してみたところ、効率の良さと汎用性を実感し、さらに詳しく調べていく中で sticky を使うことの明確なメリットに気がつくことができました。
今回は、私が追従ヘッダーに使用するCSSを sticky に切り換えた理由、そして fixed を使うことへの問題点も挙げながら、sticky のメリットについて皆さんにご紹介します。

もう fixed に戻れない? position: fixed の3つの弱点

かつて追従ヘッダーに必須のCSSプロパティだった position: fixed ですが、昔から健在し続けている問題点を3つ挙げてます。

  1. コンテンツとの重なりと不要なスペース

    • fixed で固定されたヘッダーは、常にviewportの同じ位置に表示されるため、メインコンテンツに重なってしまうことがあります。
    • この症状の対応として、メインコンテンツ上部に padding-topmargin-top などのCSSプロパティを設定し、追従ヘッダー分のスペースを空ける方法があります。
    • しかし、これはコンテンツとは無関係な調整であり、見た目の整合性を保つためだけに行う無駄な対応とも言えます。
  2. レスポンシブ対応の煩雑さ

    • さまざまなデバイスやウィンドウ幅に合わせるためのレスポンシブ対応は、fixed によって確保したスペースの調整が必要となります。
    • ヘッダーの高さがデバイスやウィンドウの幅によって変わる場合、メインコンテンツ上部のマージンもその都度調整する必要があり、面倒です。
  3. 意図しないユーザー体験

    • 特に画面の小さいモバイルデバイスでは、常にヘッダーが画面上部を占有することで、コンテンツの閲覧領域が狭まってしまう可能性があります。
    • そのため、サイト利用時にはこれがストレスに感じられることもあります。

sticky なら解決! position: sticky の3つのメリット

一方、position: sticky は、これら fixed の課題をスマートに解決してくれます。

  1. 他コンテンツとの自然な統合

    • sticky はページが読み込まれた直後は通常の要素と同様にドキュメントフロー内に自然な位置へ配置されます。
    • その後、ページ内をスクロールすると、sticky要素は指定の位置に固定され、fixed を使用した場合のようなコンテンツの重なりや不要なスペースが生じることなく表示されます。
  2. 柔軟なレスポンシブ対応

    • sticky はコンテンツの一部として扱われるため、レスポンシブデザインにおいても基本的なレイアウト構造を大きく変更する必要がありません。
    • ヘッダーの高さが変わったとしても、他コンテンツが自動で調整されるため、fixed で必要だったマージンやパディングの調整が不要になります。
  3. より自然なユーザー体験

    • sticky なヘッダーは、必要な時だけ固定表示される仕組みのため、常に画面を占有し続けることがありません。
    • ユーザーはコンテンツを快適に閲覧でき、必要な時にヘッダーにアクセスできるという自然な体験が提供されます。

position: sticky の注意点

Sticky要素は、自分の親要素と同じスクロール可能な領域内でしか動けません。
つまり、もし親要素にoverflow: hiddenoverflow: scrollが設定されている場合、その親要素がスクロール可能な範囲となります。
その結果、sticky要素は親要素内部でのみ有効になり、ページ全体ではうまく追従しなくなってしまいます。親要素のCSSプロパティには気をつけましょう。

また、古いブラウザでは sticky がサポートされていない場合もあるので、フォールバック実装が必要になる場合も。
ただし、2025年現在、主要なブラウザでは安定してサポートされているので、あまり心配する必要はありません。

まとめ

かつては追従ヘッダー実装の際には必須だった position: fixed ですが、メインコンテンツとの重なりやレスポンシブ対応の煩雑さなど、Web サイト制作においてはいくつかの問題が長年存在しており、対応に苦労するケースが多く見受けられました。 

一方、position: sticky はこれらの問題を解消し、より柔軟で使い勝手のいい追従ヘッダーを実装できるようになりました。
これまで sticky は対応しているブラウザが少なく、仕方なく fixed を使うことが多かったと思いますが、2010年代中頃から主要ブラウザが sticky に対応し始めたことが転機となりました。

今も追従ヘッダーを fixed で作成している方、ぜひ次回から sticky を試してみてください。

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この記事は、株式会社ハジメクリエイト のエンジニアが執筆しました。


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この記事を書いた人

やまじ

ジュニアエンジニア やまじ

2024年8月に入社したエンジニアです。日々の勉強を通して学んだこと・知ったことを本ブログでも投稿していきたいと思います。よろしくお願いします。

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